フライリールの種類と選び方のポイント

フライリールの基礎知識として、前回はフライリールの特徴、そして各部位の名称と役割について説明をしました。

前回の記事「フライ初心者のためのフライリールの基礎知識」はこちら

続きの2回目の今回は、フライリールの構造などの観点から、購入時の選び方のヒントについて触れていきたいと思います。

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フライリールのスプール幅の違い

フライリール-ワイドスプールフライリール-ナロースプール

フライリールには、スプールの幅にナロースプールとワイドスプールの2種類あり、ナロースプールはスプール幅が狭くワイドスプールはスプール幅が広くなっています。

このため、ワイドスプールの方がリール本体の径は小さくなります。

一般的にはナロースプールの方が多いですが、これは好みに分かれるところが大きいと思います。

写真左 : ナロースプール / 写真右 : ワイドスプール

 

 



フライリールの内径には2種類ある

フライリールスプールのアーバー(主軸)には通常径のものに加えてミッドアーバーとラージアーバーと呼ばれる2種類の仕様があり、スプールに巻いフライラインの巻グセ軽減のために考案されました。

 

ミッドアーバー(中間の軸)

フライリール-ミッドアーバー多くのフライリールは、フライラインに付く巻グセを軽減するためにバッキングラインと呼ばれる細い綿糸を下巻きしてスプール内径を太くする必要があります。

ミッドアーバーは、最初から内径が太く作られているためバッキングラインを巻かなくても巻癖が付きにくい構造になっています。

 

 

 

 

ラージアーバー(大きい軸)

フライリール-ラージアーバーラージアーバーは、ミッドアーバーより内径が太く更に巻グセ軽減を実現しています。

また、内径を太くすることでラインの巻き取り(回収)速度も速くなります。

スプールに巻かれたフライラインは時間と共に簡単に巻グセが付いてしまうため、これを少しでも軽減したいということであれば、これらのアーバー仕様のフライリールを検討してみるのも良いでしょう。

ただし、内径が太くなる分リール本体が大きくなる傾向にあります。

 

 

 

ドラグシステムはどっちが有利?

フライリールのドラグシステムには、ラチェット式とディスク式の2種類が搭載されています。

これも好みの部分がありますが、それぞれの機能を比較してみましょう。

 

ラチェットドラグ

フライリール-ラチェットドラグラチェットドラグとは、スプールに取り付けられているラチェットギアとリール本体内側にあるラチェットというツメがかみ合わさることでブレーキをかけるシステムです。

構造上、細かいドラグ調整がしにくいのと、ディスクドラグに比べるとブレーキの効果きが弱いので低番手のリール向きのシステムと言えます。

 

 

 

ディスクドラグ

フライリール-ディスクドラグディスクドラグとは、メーカー毎にいろんな構造がありますが、ドラグ調整範囲が広く微調整も可能で、ラチェット式よりドラグの効きが良いことが特徴です。

このため、大型魚を対象とするフライリールの多くはディスクドラグを採用しています。

一般渓流で使う低番手のリールではラチェットドラグ大型魚向けにはディスクドラッグというのがリール選びでの1つの目安になるでしょう。

最終的には、これも好みに分かれる部分であり、筆者はどちらの方式のリールも保有していますが、個人的にはラチェットドラグの音(ギリギリとジージー音)と感触が好きなのでラチェットドラグ式を良く使っています。

ラチェット式に比べるとディスク式は音がかなり静かです。

 

 

フライリールが利き手の変更が可能?

フライリール-右巻きフライリール-右巻きフライリール-左巻きフライリール-左巻き

 

 

 

利き手によって左巻き、または右巻きを考える必要がありますが、実はフライリールはほとんどの場合、本体内側にあるパーツの設定を変更することで、左巻きと右巻きの仕様を切り替えられる仕組みになっているので、購入時には切り替えが可能かどうかを確認すれば問題ありません。

 左から、ラチェット/ディスクの右巻き、ラチェット/ディスクの左巻き

 

 

インスプールとアウトスプールのメリットとデメリット

インスプール

フライリール-インスプールインスプールは、リール本体のフレーム内にスプールがスッポリと収まり、本体フレームがスプールをカーバーする形状になっているため、堅牢性に優れ、釣行中に岩などにぶつけても比較的安心です。

本体フレームがスプールを覆ってしまうため、スプールを直接触ってブレーキをかけるようなことができません

 

 

 

アウトスプール

フライリール-ディスクドラグアウトスプールは、スプールが剥き出しになっており本体にかぶさるようなタイプのもので、軽量でスプールの着脱が容易です。

また、大物とのやり取りでは、ロッドを持つ手の反対側の手のひらでスプールを抑えることでブレーキをかけることができるというメリットがあります。

 

 

 

対象魚にマッチしたフライリールを選ぼう

フライリールの番手は、基本的にフライロッドとフライラインの番手に合わせて選択しますが、対象魚やフィールドで見た場合の標準的なフライリールのサイズについて見てみましょう。

 

渓流のトラウト用フライリール

番手が#2~#5のフライラインに適合するものを選択しましょう。

フライ初心者さんは#4、#5あたりが最初は扱いやすいと思います。

 

 

管理釣り場のトラウト用フライリール

渓流釣用のリールをそのまま使うのが基本ですが、管理釣り場では大型魚(60cm超えるニジマスなど)を放流していることも多く、こういったサイズにも耐えられるようにということであれば、#6のフライラインに適合するものを選択すればよいでしょう。

 

 

湖のブラックバス・トラウトなどのフライリール

少し遠投も可能なように、#6~#7のフライラインに適合するものを目安にします。

もちろん#5くらいのものでもバスなんかではスリリング感を楽しめます。

湖に立ち込んでダブルハンドで遠投するような場合は、#8のフライラインに適合するリールを使用する場合もあります。

 

 

海のシーバス・シイラなどのフライリール

大型魚の多い海では、必然的にリールの番手も大きくなります。

使用する番手としては#8~#9のフライラインに適合するものを目安に、それ以上のターゲットの場合は、更にその上の#10~#12などに適合したものを選びましょう。

 

 

ちなみにバーミンガムスタイル

バーミンガムスタイルのフライリールは、洗練されたデザインで根強い人気のフライリールで、イングランドのバーミンガムで作られたためこのように呼ばれています。

19世紀にフライフィッシング発祥の地イギリスで作られ、素材にはニッケル・シルバー多く使われました。

その仕上げは工芸品のごとく美しく、機能面でも回転のスムーズさと精密さを兼ね備えています。

フライフィッシングファンにとっては、1つは手に入れたいと思うフライリールの1つですが高価なものが多いです。(^^)

 

これからフライフィッシングを始めようと思っている方は「フライフィッシング入門セット」についても確認してみてください。

 

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